自然光によって室内が温められるのは窓があるおかげですが、室内の温度が窓から逃げることはご存じですか？窓から50％、壁から20％の熱が逃げるといわれています。しかし、これらは窓のリフォームで防ぐことも可能です。室内から熱が逃げるのを防止し、冷暖房の利きをよくして快適に過ごしたい方は、窓リフォームを検討してはいかがでしょうか。

家が熱い・寒いのは窓が原因かも！

室内の温かい熱は窓から50％、壁から20％逃げるといわれています。実際に住宅内部から外部へ逃げる熱量の計算は、天井・外壁・床・開口・基礎に分けて計算され、温度差係数はそれぞれ異なります。窓においてはサッシやガラスの種類も計算の項目の対象です。

なぜ窓から熱が逃げるのか？

窓は壁との構造が違うため、熱気が逃げやすくなります。また、壁は内部に断熱材を敷き詰めることができますが、一般的な1枚のガラス窓に断熱材は入れられません。2022年はガラスとガラスの間に入れられる透明な断熱材も開発されていますが、まだ製品化の途中であり販売はされていません。（2022年9月時点）また、窓は外気と直接触れることも理由の1つです。窓ガラスに結露が生じるのも、室内と外気の温度差が高いことが原因です。

窓のリフォーム方法は3種類

室内の温度を外気の影響から守るためには、窓のリフォームがおすすめです。リフォームというと大掛かりな工事をイメージする方もいますが、窓のリフォームは半日もあれば完成します。窓のリフォームで多いのは、以下の3つの方法です。

ガラスだけを交換する

窓はそのままで、ガラスだけを交換することも可能です。ペアガラス・トリプルガラスなどの複層ガラスに交換すれば、断熱性能が高くなるでしょう。ガラスの種類によって断熱性が変わるため、各ガラスの特徴を把握したうえで検討するのがおすすめです。

ちなみに、ペアガラスのUA値は2.91でトリプルガラスは1.70です。UA値とは床・外壁・天井・開口部などから外部に逃げる熱量を外皮全体で平均した値であり、値が小さいほど省エネ性能が高いことを示しています。

そのため、ペアガラスよりトリプルガラスの方が約1.7倍高いです。「なるべく断熱性能を高めたい！」「窓から入ってくる冷気が冷たくて、少しの冷気も耐えられない」という方は、トリプルガラスへの交換がおすすめです。

外窓を変える

まるごと変えて新しい窓にしたいのであれば、外窓を変えましょう。最近では、樹脂とアルミの複合サッシと複層ガラスの組み合わせが人気のようです。樹脂フレームはアルミサッシに比べて熱が伝わりにくく、その伝わり方は1400分の1といわれています。予算に余裕があれば、オール樹脂製のフレームとトリプルガラスを組み合わせた窓を設置したいものです。また、窓枠をアルミから樹脂製のものに変えるだけで、結露を防ぐ効果も期待できます。

内窓を設置する

今ある窓をそのまま活用したいのであれば、内窓を設置するのもおすすめです。内側にもう1つ窓を設置することで、元からある窓と新しい窓の間に空気の層が1つでき断熱性能を高めます。

窓リフォームは比較的低コストで家を快適にできる！

窓のリフォームは半日で完成できることもあり、比較的低コストでできます。先ほどご紹介したどの方法でリフォームするかによって変わりますが、10万円未満でリフォームすることも可能です。

戸建て住宅の窓リフォームの価格

リフォーム会社紹介サイトのホームプロによれば、戸建て住宅の窓・サッシリフォームは10万円未満が23.1％、10～20万円が26.3％、20～20万円が中心価格帯で16.3％だそうです。それ以降の価格帯は10％未満となっています。工事する窓の数によっても変わりますが、そこまでコストがかかるわけではありません。家の中が冷えやすかったり熱くなりやすかったりするのであれば、断熱性能を高める大規模な工事を検討する前に、窓リフォームを検討しましょう。

マンションの窓リフォームの価格

マンションの窓リフォームは、カバー工法が一般的です。これは既存の窓とサッシの上からカバーをかぶせるように取り付ける方法で、現状維持をしたままリフォームができます。分譲マンションであれば、樹脂サッシは約8万～60万円、アルミサッシは約11万円～30万円、木製サッシはやく15万円～80万円です。

窓の大きさによっても価格は異なります。小窓であれば約3万円～5万円、腰高窓は約5万円～8万円、掃き出し窓は約8万～10万円です。

なお、マンションの窓をリフォームするのであれば管理規約をきちんと確認しましょう。管理組合にリフォームの申し出をして許可をとることも忘れないでください。また、共有部のリフォームはできないことがほとんどです。

まとめ

窓リフォームについて解説しました。窓は直接外気と触れる部分のため、室内の暖気や冷気が逃げやすい場所です。すき間から冷気が入り込み、暖房をつけていても足元が冷えてしまうこともあります。そのため、断熱性能を上げたいときは窓リフォームがおすすめです。水回りなどのリフォームと比べれば比較的安い価格でできるため、負担は少なく済みます。また、窓の断熱性能はガラスやサッシの種類によって変わります。おすすめは、オール樹脂サッシとトリプルガラスの組み合わせです。予算に余裕があれば、検討してはいかがでしょうか。

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